住宅をリフォームした場合、確定申告で、所得税や固定資産税、贈与税等が軽減されます!
住宅をリフォームした場合、所得税や固定資産税の減税措置が受けられるばかりか、親等からのリフォーム費用支援が贈与税にならずに済む非課税措置が受けられる場合があります。
これらはすべて確定申告が必要なので、昨年リフォームされた方は、忘れずに必要書類を準備して確定申告されることをおすすめします!
目 次
Ⅰ.住宅リフォームには各種優遇税制がある!
リフォームは景気振興の一環となるため、いろいろな減税優遇措置が設けられているのです!
住宅のリフォームにはどんな優遇税制があるの?
住宅をリフォームした場合、工事内容や住宅要件を満たしていれば、次のような税制優遇措置が受けられます。
Ⅰ.所得税の減税
Ⅱ.固定資産税の減税
Ⅲ.贈与税の非課税
[住宅リフォーム税制優遇制度]
対象税制 | 概略 |
Ⅰ.所得税の減税 | 住宅をローンや自己資金でリフォームをした場合、工事内容や住宅要件を満たしていれば、確定申告で所得税の控除を受けることができる |
Ⅱ.固定資産税の減税 | 耐震、省エネ等の工事に50万円以上をかけてリフォームした場合、確定申告で1年間に限り固定資産税の二分の一又は三分の一が減額措置が受けられる |
Ⅲ.贈与税の非課税 | リフォームのために父母や祖父母から資金の贈与を受けた場合、確定申告で一定額まで贈与税がかからない非課税措置の適用が受けられる場合があります |
Ⅱ.所得税の減税制度
住宅リフォームに適用される所得税の減税は、減税目的で見ると「ローン負担軽減の為のローン減税」と、ローンに関係なく、「省エネ等推進の為に支援する省エネ等推進目的別の投資型減税」とに区分できます。
減税目的 | 減税制度 |
1.ローン負担軽減の為のローン減税 | 10年以上融資対象の「住宅ローン減税」 |
5年以上融資対象の「ローン型減税」 | |
2.省エネ等推進目的別の投資型減税 | 「投資型減税」 |
なお、リフォームの種類や内容により、利用できる制度が違います。併用できる場合もあります。
1.ローン負担軽減の為のローン減税
ローン減税は、融資期間の長さによって、①10年以上融資対象の「住宅ローン減税」と②5年以上融資対象の「ローン型減税」があります。
①「住宅ローン減税」
「住宅ローン減税」は、10年以上のローンを利用した場合に適用されます。
住宅ローンを利用して、増築や省エネ、バリアフリーリフォームなど、100万円を超えるリフォーム工事をした場合に「住宅ローン減税」の対象になります。
制度名 | 「住宅ローン減税」(住宅課借入金特別控除) |
対象者 | ・返済期間10年以上のローンを借りてリフォームをした者 ・半分は自分の居住用である住宅 ・本人の所得3千万円以下 |
要件 | ・増改築、一室の修繕、耐震補強、バリアフリー、省エネなどの改修工事など一切 ・リフォームする住宅の専有面積が「50平米以上」 ・補助金等を除いたリフォーム費用が「100万円以上」 などの条件がある。 |
減税の内容 | ・10年間に亘り、年度末のローン残額(限度額4000万円)の1%分が「10年間」所得税から控除される。 但し、年間控除額は最高40万円(認定優良住宅50万円)、10年間で最大400万円(認定優良住宅500万円)が限度 なお、2019年10月1日以降(消費税率10%)のリフォームは、控除期間は13年。 ・控除しきれない場合は、翌年の住民税から13万6500円を上限に控除。 ・初年度に確定申告していれば、2年目以降は年末調整で可能。 |
②「ローン型減税」
「ローン型減税」は、5年以上の住宅ローンを利用した場合に適用されます。
5年以上の住宅ローンを利用して、バリアフリー工事や省エネのための断熱工事、同居対応・長期優良住宅化リフォームをした場合に、リフォーム工事の内容別に費用の2%又は1%の所得税控除が受けられます。
制度名 | 「ローン型減税」(特定増改築住宅借入金等特別控除) |
対象者 | 返済期間5年以上のローンを借りてリフォームをした者 |
要件 | ・「バリアフリー」「省エネ」「同居対応」「長期優良住宅化」の一定要件(工事内容や住宅要件)を満たすこと |
減税の内容 | 下記の(1)(2)の合計額または「控除限度額」のいずれか少ない額が、改修後から「5年間」、所得税から控除される。 但し、年間最大控除額は12万5000円、5年間で最大62万5000円になります。また、各年の所得税額より控除額が多い場合は、所得税額が上限となる。
(1)年末のローン残高のうち、対象リフォームであるバリアフリー・省エネ・同居対応・長期優良住宅化リフォーム工事費用(限度額250万円/補助金を除く)分の2% (2)ローンのうち、対象リフォーム以外の工事費用相当分(限度額は(1)と合わせて1000万円)の「年末ローン残高の1%」 |
補足 | 併せて耐震リフォームを行う場合は「投資型減税」との併用ができる。 |
2.省エネ等推進目的別の投資型減税
住宅ローンの利用有無に関わらず適用される「投資型減税」
住宅ローンを利用していなくても、所得税の控除が受けられる制度です。
耐震、バリアフリー、省エネ、同居対応、長期優良住宅化等のリフォームをした場合、確定申告によって1年間、工事費等の10%が所得税から控除されます。
控除対象限度額があって、リフォーム内容で異なります。
制度名 | 投資型減税 |
対象者 | 住宅ローンの利用有無に関わらず適用 |
要件 | 「耐震」「バリアフリー」「省エネ」「同居対応」「長期優良住宅化(耐久性向上)」の一定要件を満たすリフォームであること。
耐震とバリアフリーの両方を行う場合など、制度の併用ができるものもある。 |
減税の内容 | 標準的な工事費用相当額(補助金等を除く)の10%、または「控除限度額(下記)」のいずれか少ない額が1年間控除される。
ただし、所得税額より控除額が多い場合は所得税額が上限となる。 控除限度額は、リフォーム内容によって異なります。 ・耐震、省エネ、同居対応、耐久性向上の場合、25万円(省エネリフォームで太陽光発電装置を設置する場合は35万円) ・バリアフリーリフォームの場合、20万円 これらリフォームにあわせて太陽光発電システムを設置したり、内容が異なるリフォームを一緒に行った場合には、控除対象限度額が上がるものもあります。 |
Ⅲ.固定資産税の減税
耐震、省エネ、バリアフリーの為のリフォームについて次の様な基準で、次年度の固定資産税の減額を受けられます。
種 別 | 要件 | 固定資産税の減税額 |
耐震
リフォーム |
昭和57年1月1日以前に建てられた建物(戸建て・マンション・アパート含む)で工事費用が50万円以上の新耐震基準に適合する工事であること | 翌年分の固定資産税の2分の1を1年間減額(指定道路沿い住宅は2年間) |
省エネ
リフォーム |
平成20年1月1日以前に建てられた自家で省エネリフォーム工事費用が50万円を超えていること | 翌年分の固定資産税の3分の1を1年間減額 |
バリアフリー
リフォーム |
・次のいずれかの方が居住していること⇒①65歳以上の方 ②要介護または要支援の認定を受けている方 ③障害がある方
・築年数が10年以上経過しており、リフォーム後の床面積が50平方メートル以上であること ・バリアリフリーが次のいずれかに該当すること |
翌年分の固定資産税の3分の1(ただし1 00平方メートルまでに限る) |
補足:固定資産税は、土地や建物等の評価額によって決まります。地域や建物の構造、設備などで異なりますが、戸建ての平均は年額10~12万円程度と言われるので、二分の一であれば5万円程の減額となります。
Ⅳ.贈与税の非課税
リフォームのため、父母や祖父母から資金贈与を受けた場合、一定額まで贈与税がかからない非課税措置が設けられています。
[贈与税の非課税額]
この措の置には期限がありますので、利用される場合は、財務省のホームページの最新情報確認が必要です。
契約年 | 一般住宅 | 質の高い住宅 |
2019年4月~2020年3月契約の場合 | 2,500万円 | 3,000万円 |
2020年4月~2021年3月契約の場合 | 1,000万円 | 1,500万円 |
2021年4月~2021年12月契約の場合 | 700万円 | 1,200万円 |
最後に
昨年リフォームされた方は、確定申告でこの税制優遇減税の恩典を見逃すことがないようご留意願います。
住宅購入時は、ローン会社から詳しく説明を受けるので間違いなく確定申告をされるかと思いますが、リフォームの場合は、減税措置を知らずに済ませてしまっている人が多いのではないかと思います。(大変もったいない話です。)
なお、確定申告には、所定の証憑書類が必要になります。
また、固定資産税の減額や贈与税の非課税措置なども漏らすことなく受け取れるようご留意ください!
ーーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーーー
確定申告に使えるICカードリーダーの選び方
e-taxで確定申告をする際、マイナンバーカードで認証を受ける為には、マイナンバーカードに対応しているICカードリーダーであることが第一条件です。
マイナンバーカード対応製品リストは、「公的個人認証サービス」のポータルサイトで確認できます。
次に、パソコン等に対応したCカードリーダーでなければなりません。
そのためには、下記のような事項にも注意が必要です。
おすすめカードリーダー
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
I
なお、関連する下記の関連記事もご覧いただければ幸いです。
- 確定申告
- 株取引の確定申告|株で損した時の確定申告による節税方法と事例解説
- 株取引の確定申告|株で儲けた時の確定申告による節税方法と事例解説
- 株取引の確定申告|特定口座・源泉徴収でも確定申告すれば節税できる!
- 確定申告|パソコンからe-taxを使って確定申告する手順を解説
- ふるさと納税の確定申告方法、ふるさと専門サイト利用でより簡単に!
- 年金所得者も「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が利用できます!
- ふるさと納税って?節税効果が大きく活用しないと損!おすすめ利用法
- ふるさと納税額過去最高!住民税や社保等の負担軽減効果大に人気旺盛!
- 屋根外壁塗装リフォームで各種税制優遇措置を受ける要件と手続き
- 確定申告|歯の保険外診療費も「医療費控除」の対象って知ってた?(リニュアル)
- 確定申告メモ|パート年収103万円以下なら申告で所得税は全額戻せる
- ふるさと納税|給与・年金収入者、自営業者の「控除限度額」早見表
- 年末の株式取引は、損出し・益出しで節税と資産改善を図るビッグチャンス(リニュアル)
- 株式取引等譲渡所得の年末節税対策に欠かせない損出し、益出し手法(リニュアル)
- 年末の節税対策は十分?|年末にできる節税対策と大きい節税効果(リニュアル)
- 幼保無償化|今更聞けない保育園と幼稚園の違い、どちらにしようか?
- 今更聞けない児童手当って?申請しないともらえない!遅れた分無効!
- 「住民税決定通知書」の見方と住民税節税の重要性とその方策方法(リニュアル)
- 確定申告|住宅リフォームは所得税、住民税、固定資産税の減税対象!(リニュアル)
- 株取引の確定申告|確定申告が住民税負担増に繋がらない為の申告不要制度(リニュアル)
- 確定申告|パートの年収が103万円以下なら所得税や住民税は不要!
- ふるさと納税の100%還元上限額は、所得控除の大きさで変わる!
- 確定申告|配偶者控除等を睨んだパートの上手な働き方と確定申告留意点
- 確定申告|ふるさと納税のポイントとメリットの数々!お得に地域貢献
- 確定申告|会社員・年金者が還付金を請求できる主なケース(リニューアル)
- 株式投資の確定申告|利益・配当にかかった高い税金を取戻す申告方法(リニュアル)
- 株取引の確定申告|株運用の節税には「住民税の申告不要」の理解も重要(リニュアル)
- 確定申告|会社員や年金者にも意外と多い所得税還付機会の確認を!(リニュアル)
- 確定申告|風水害・盗難等の損害には税軽減措置が受けられる!(リニュアル)
- 確定申告|e-Taxを使えば還付金の有無確認が容易にできる!(リニュアル)
- 確定申告|節税ツール”e-tax”利用に必要な事前準備はこれ!(リニュアル)