年末の節税対策は十分?|年末にできる節税対策の種類とふるさと納税

年末を控え残り僅かとなりましたが、節税対策は十分ですか?

年内の残り日数は、今年の節税と来年の節税を決定する大変重要な日々となります。

今年の税金(所得税+住民税)をいかに抑えることができるか、払い過ぎた税金を今年中にいかに多く取り戻せるかといった節税対策は、来年度の住民税やその住民税に基に決められる介護保険料や医療費負担割合、児童手当、学校教育費負担等に影響します。

では、年内にできる節税対策には何があるかが気になりますが、多くは普段実行するべきことが多く、年末に限ってできることはそう多くありません。

どこに節税ポイントがあるか少し遠回りですが、所得税の仕組みからおさらいしてみました。

目 次

・年末の節税対策は来年度の住民税や国民健康保険等の軽減にも!

・節税のために、まず所得税課税の仕組みをおさらいしましょう

[所得税、住民税の対象となる所得の種類]

[各所得の「所得額」とは?]

[所得税(住民税)の計算の流れ]

[所得税(住民税)節税の対策箇所]

①所得額を下げる

②課税所得額を下げる

③所得税(住民税)そのものを軽減する(税額控除)

・年末の節税対策は、株式等譲渡所得の節税とふるさと納税の活用

・誰でも利用できる「ふるさと納税」が年末節税対策の王者

年末の節税は来年度の住民税や国民健康保険等の軽減に!

今年の節税が来年度のいろんな負担の軽減にも繋がるのです。

住民税は、行政サービス(医療・介護、保育・教育等)の給付や負担の算定に使われるため、生活費に大きく影響します!

(資料:日経)

節税のために、まず所得税課税の仕組みをおさらいしましょう

節税には、日頃から節税を意識した取り組み、資産運用が大事ですが、ここでは、年末に際しつけどころ(着目点)を、「所得税課税の仕組み」を通して押さえたいと思います。

[所得税、住民税の対象となる所得の種類]

所得税(住民税)の対象となる所得は、次の通り10種類あります。

これらの所得がいくつかある場合は、それら全てを合算したものが年間の総所得となります。

所得の種類

所得は10種類に区分され、それぞれの所得は、「収入から必要経費などを差し引いた金額」て求められます。必要経費はその所得によって定められています。

1.利子所得(銀行預貯金利子、国債・地方債・外国国債等利子、公社債投信の配当等

2.配当所得(株式の配当金や、株式投資信託の収益分配金などの所得)

3.不動産所得(不動産の貸付所得、但し、事業所得、譲渡所得に該当するもの除く)

4.事業所得(農業、漁業、製造業、販売業の他、個人事業主(含むタレント、騎手)等)

5.給与所得(俸給、給料、賃金、歳費及び賞与等給与所得)、

6.退職所得(退職手当等)、

7.山林所得(山林の伐採又は譲渡による所得)、

8.譲渡所得(土地、建物、株式、ゴルフ会員権等の資産譲渡によって生ずる所得)、

9.一時所得(懸賞金、謝礼金等の臨時収入所得、 満期保険金、競馬払い戻し等の所得)、

10.雑所得(以上の9所得ののいずれにも該当しない所得で年金等の所得)

[各所得の「所得額」とは?]

各所得は、それぞれの収入からその収入を得るのに必要となった経費(必要経費)を差し引いた額が「所得額」となります。

収入ー必要経費=所得額

必要経費の計算方法は、下表の通りです。

必要経費の算出方法

事業(農業、漁業、自営業、個人経営の医師、不動産賃貸、等)収入の場合は、収入を得る為に必要となったコストを積み上げて算出しますが、

給与収入の場合、収入金額に応じた「給与所得控除額」が、公的年金収入の場合は、「支給額」に応じた「公的年金等控除額」が定められていて、これを差し引いた額が所得額 となります。

[所得税(住民税)の計算の流れ]

所得税は、こうして算定された各所得を合計した「総所得」から、所得税軽減措置として定められた所得控除額を差し引いた「所得額(課税所得という)」に、所得税率(累進課税方式という)が乗じられて「所得税」が決まります。住民税も基本的には同じ流れで計算されます。

なお、この所得税に対してさらに税額控除される優遇措置があります。

所得税の計算は、次の様な手順(①→②→➂)で計算されます。

①1年間の全ての所得額合計ー所得控除額=課税所得額

②課税所得額×課税所得の大きさに応じた累進税率=所得税額

➂所得税額ー税額控除額(直接税額免除される金額)=(納付)所得税額※

※実際には、この所得税額に対し復興特別所得税2.1%がかかります。

[所得税節税の対策箇所]

以上の所得税計算の流れにおいて節税対策を講じられる箇所は次の3か所となります。

コメントは、年末対策としての視点で紹介しています。

①所得額を下げる

所得額は、(収入ー必要経費)で決まるので、「必要経費を大きくする」か、「収入を抑える」ことで所得金額を下げることができます。

[必要経費を大きくする方法について]

給与、年金、退職一時金等の所得は、必要経費は収入額に応じた定額で定められているため恣意的に引下げできる余地はありません。

必要経費を大きくできる所得は、それ以外となります。このため、その他の所得では、年末対策としてできることは必要経費を極力大きくするための対策が講じられるかにかかっています。

[収入を抑える方法について]

収入を抑えて損にならない取引行為が可能なのは、含み損のある資産を損出し手段に用いることができる株式や投資信託などの譲渡所得です。買い替え等による損出し方法によって譲渡所得の圧縮が可能となります。

従って、今年の譲渡所得累計において、利益が出ており、税金を払っている場合は、同一銘柄の買い替え(損出し売却と同値買戻しの反対売買)等によって譲渡所得の引下げが行え、且、損出しによる税還付(特定勘定の場合)が受けられます。

②課税所得額を下げる

課税所得額を下げるためには、下表にある「所得控除項目」の多くの項目に該当し、且つ、それぞれの控除金額が大きくなることが必要です。

所得控除項目は下表のとおり15種類ありますが、年末対策としての打てる対策は少ないと思われます。

例えば、医療費控除であれば、「医療費総額が10万円未満見込みの場合、予定していた高額医療費がかかる入院等を年内に繰り上げてもらう」とか、寄付金控除を増やすとか、妻のパート収入を抑えて配偶者控除を復活させる(確定申告|年間パート収入が103万円以下なら所得税は戻せる!)などといったことで所得控除額を大きくすることができますが、対効果の試算が必要でしょう。

※課税所得金額は、全ての所得合計から所得控除額を差し引いて算出します。
所得控除とは、控除の対象となる扶養親族が何人いるかなどの個人的な事情を加味して税負担を調整するもので、次の種類があります。
1雑損控除(「災害等にあったとき」参照)
2医療費控除(「医療費を支払ったとき」参照)
3社会保険料控除
4小規模企業共済等掛金控除
5生命保険料控除(「保険と税」参照)
6地震保険料控除(「保険と税」参照)
7寄附金控除(「寄附金を支出したとき」参照)
8障害者控除(「障害者と税」参照)
9寡婦控除(「家族と税」参照)((家族と税|参照)
10.ひとり親控除(「家族と税」参照)
11.勤労学生控除
12.配偶者控除(「家族と税」「高齢者と税(年金と税)」参照)
13.配偶者特別控除(「家族と税」参照)
14.扶養控除(「家族と税」「高齢者と税(年金と税)」「障害者と税」参照)    15.基礎控除(「基礎控除」表参照)
➂所得税(住民税)そのものを軽減する(税額控除)

算定された所得税から直接、所定の税額を控除してくれるものに次のようなものがあります。

配当控除、政党等寄附金特別控除、公益社団法人等寄附金特別控除、 (特定増改築等)住宅借入金等特別控除ふるさと納税、など

この中で、年末対策として活用したいものは、何といっても「ふるさと納税」になります。

ふるさと納税は限度額以内であれば、2000円負担で高額な地域特産物などが貰え、

(支払った額ー2000円)の10%は所得税の節税に、90%は住民税の節税となり、特に住民税の節税に大きく寄与します。

以上から、年末節税対策は、株式等譲渡所得の節税とふるさと納税の活用が柱と言えそうです!

以上より、年末を控え、検討すべき節税対策は、主に次の2点と言えます。

年末の節税対策の柱

1.「株式取引や投資信託等譲渡所得の節税対策」

2.「ふるさと納税」の活用

株式等取引におけるケースバイケースでの具体策は、次回ご紹介します。

誰でも利用できる「ふるさと納税」が年末の節税の目玉

ふるさと納税は、地域が提示するお礼の品(地域の名産品など)を指定して寄付できる制度です。地域が提示するお礼の品は、「ふるなび」や「さとふる」などに紹介されています。

寄付額は所得税と住民税で大半が還付されるお得な制度

通常の「市町村等への寄付」は、2,000円を超える部分については「寄付金控除」として他の「社会保険料控除」などと同じく課税対象から除かれる税優遇措置ですが、「ふるさと納税」は、確定申告によって2,000円を超える部分は「所得税の還付」と「翌年度の住民税の税軽減」という形で、両者合わせるとほぼ全額還元されるというお得な制度です。

但し、税優遇を受ける寄付金額は、本人の所得水準と家族構成により上限があります。

還元の仕組みは、例えば、課税所得が310万円で寄付金額が上限以内の場合、「寄付金額」から「2000円」を差し引いた金額に対し、「所得税で10%(※1)」、「住民税で90%」が還元され、合わせて「100%」が還元されるというものです。(具体的な制度と求め方は後述)

※1. 各課税所得での所得税率

(例)給料収入が600万円の場合、下表による次の計算から426万円の「所得」となります。

・所得控除額: 600万円×20%+54万円=174万円

・給与「所得」:600万円‐174万円=426万円

所得税の還付額と住民税の軽減額の求め方(制度)

ふるさと納税の確定申告による税の還付額や軽減額は、次のような算式により求められます。

なお、「ワンストップ特例制度」(寄付の都度、寄付金控除が受けられる)があるので、年末対策としては、こちらが便利です。

[確定申告の場合の手続き]

○所得税の控除額(還付額)

還付額=(寄付金‐2000)×本人の所得での所得税率(※1)×1.021

○住民税の控除額(軽減額)

    基本分    +       特例分{(寄付金‐2000)×10%}  +  {(寄付金‐2000)×(90%‐所得税率×1.021)}

まとめると、「(寄付金‐2000)×約95% 」となり、ほぼ「95%」が次年度の住民税の軽減に反映されることになります。

[課税所得310万円の人が5万円のふるさと納税を利用した場合の計算例]

税項目 計算 還元内容
所得税の控除額(還付額) (50000‐2000)×10%=4800 所得税が4800円還付される
住民税の控除額(軽減額) (50000‐2000)×10%+

(50000‐2000)×(90%‐10%×1.021)

=4800+38300=43100

43100円が次年度の住民税で軽減される。
 合計 4800+43100=47900  5万円の寄付の内47900円が還元される

但し、所得の大きさと家族構成(高校生以上の扶養者)により寄付額の上限額が定められている

ふるさと納税には、本人の給与収入等と家族構成によって全額控除となる控除上限額があります。

年間での寄附金額が、控除上限額を超えた場合、超えた金額は、自己負担になります。

下記の表は、自己負担額の2,000円を除いた全額が所得税及び住民税から控除される、ふるさと納税額の目安表です。

この目安表は、社会保険料控除額を給与収入の15%と仮定して設定していますが、医療費控除などの他の控除を含めていませんので注意してください。

従って、社会保険料控除額が15%よりかなり大きかったり、医療費控除、生命保険料や地震控除、雑損控除などがあればその分課税所得が下がるので上限額も下がります。

その場合は、その分を考慮して収入を下げてこの表を見る必要があります。

正確には、他のサイトのシミレーションを活用することをおお勧めします。

(ただし、住宅ローン控除や配当控除は税額控除なので、課税所得を算出する際には含まれない控除項目となります)

具体的な計算はお住まいの市区町村にお問い合わせください。

なお、確定申告不要の「ふるさと納税ワンストップ特例制度」もある

なお、確定申告の不要な給与所得者等が、確定申告を行わなくても寄附金控除が受けられる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」があります。

これは、都度各自治体に特例の適用に関する申請書を提出する必要があります。

但し、他のことで確定申告する場合は、これらについて再度ふるさと納税の控除を受ける手続きが必要になります。

従って、毎年、何らかの確定申告を考えている方にはあまりおすすめできないところがあります。

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