家の状況を知られるツールにもなる電話をなぜ無防備に放置しておく??

電話は、他人の使い方次第で家の状況を探るツールにもなります。

電話を使って、他人はその家の状況を知る危険性があります。

電話機を無防備のままに扱えば(放置すれば)、他人は、電話で留守を悟ったり、警察や役所を騙り聞き出せば個人情報も知られるなど、情報を入手するツールとして利用できます。

従って、家の電話を無防備に放置していれば、詐欺などに巻き込まれる危険性が高いのです。

このため、家の電話は、空き巣に留守を悟られない、或いは、詐欺に個人情報を盗まれないよう設定管理に留意する必要があります。

Ⅰ.無防備な電話は空き巣や詐欺の犯罪ツールに利用される!

ここでは主に一般家庭で使われる固定電話番号(0から始まる市外局番を持つ電話番号)を持った電話機についてご説明しています。

1.電話を使った特殊詐欺や強引営業被害が横行

令和4年11月に実施した警察庁の「特殊詐欺被害者の通信手段調査」の結果、「メール」、「はがき」、「電話」等の中で「電話」が85.2%を占めており、その「電話」の97.2%が「固定電話」であることが分りました。

固定電話が狙われる!
電話による特殊詐欺が全体の85%を占め、殆どが固定電話へ掛けられた!

また、特殊詐欺の被害を受けた方は、86.6%が高齢者(65歳以上)でありました。

2.電話は個人情報入手や留守確認の便利なツールになる

特殊詐欺や空き巣は、電話で個人情報を入手したり留守を確認します。

横行している振り込め詐欺やオレオレ詐欺、アポ電強盗や空き巣、さらには、強引営業や迷惑電話による被害は、殆どが電話の悪用が元となっています。

従って、電話を無防備に放置していれば、詐欺や空き巣などに狙われるリスクが高いまま放置していることになります。

3.高齢者で一人住まいの住居が狙われ易い

特に、詐欺や空き巣に狙われ易い住居は、高齢者で一人住まいか、一人になる時間帯が多いと言われます。

高齢者が狙われ易いのは、「電話にはきちんと応対するのが礼儀」という意識が強いため、言葉巧みに誘導されて情報が入手しやすいためです。

ましてや、子供や孫に関係すると言われれば、つい無警戒になり細かい情報まで聞き出されます。

従って、高齢者の方、特に一人住まいの方は、電話で会話を交わすことは大変リスクが大きいので、見知らぬ番号からの電話には一切関わらないようにすることが、「アポ電強盗」から身を守る最大の防衛策と言えます。

Ⅱ.電話の「未登録番号着信拒否」設定こそ究極のアポ電強盗対策!

特殊詐欺等やアポ電強盗による電話を使った被害から身を護るには、電話で接触しないようにすることが最善の防衛策となります。

電話は「玄関ドア」と同じで、電話に施錠(登録者以外入室禁止=「登録者以外拒否設定」)しなければ、玄関ドアを開けっ放しにしているのと同じです。

その為には、電話の設定を「未登録番号着信拒否」にすることが一番です。

1.電話の「未登録番号着信拒否」の設定とは

「未登録番号着信拒否」の設定とは、電話機に登録している電話番号だけを受信し、登録していない電話番号からの着信には拒否をする設定のことです。

アポ電強盗や特殊詐欺は全て電話での会話を足がかりとして犯行に及びます。

不正に入手した固定電話番号に無差別に電話を掛けて言葉巧みに欺します。

特に、高齢者や一人住まいの女性は狙われ易く、電話で会話すれば簡単に欺される傾向があります(警察データー)。

従って、知らない電話に出ないようにすることが最善の防犯対策になります。

そのために、固定電話に「未登録番号着信拒否」の設定を行い、登録していない電話番号からの着信を拒否し話をする機会を作らないことが最善のアポ電強盗被害を受けない究極の方法と言えます。

私の場合は、普段でも「未登録番号着信拒否」の設定をしています。

これにより、電話に登録されていない人からの電話には、全て「恐れ入りますがこの電話はおつなぎできません。」と相手にメッセージを流して拒否してくれています。

これにより、それまで頻繁に煩わしい売込みや勧誘電話、中には息子の件でのオレオレ詐欺電話などがありましたが、それ以降は一切そういった煩わしい電話対応をせずに済んでいます。

(余談)
老人は、誰かからの連絡を心のどこかで待っているようなところがあるので、この「未登録番号着信拒否設定」を「不安視」しがちです。

しかし、身内や知り合い以外の電話には、ほとんど必要のある電話はないはずです。むしろ、不必要な売込みや勧誘などが大半です。

そのような中で多発している「振り込め詐欺」や「アポ電強盗」などから身を護る為には、「未登録番号着信拒否設定」が必要なのです。

どうか高齢者の方には、その必要性をわかるようにご指導ください!

2.「未登録番号着信拒否」の設定方法

電話機に登録していない電話番号からの着信を拒否する「未登録番号着信拒否」の設定は、電話機のマニュアルをみれば簡単に設定できますが、この設定を有効にするためには、以下の様な環境にすることが必要になります。

1)NTTや光電話とのナンバー・ディスプレイ契約が必要

「ナンバー・ディスプレイ」は、NTT等のオプションサービスの1つで、電話をかけてきた相手の電話番号を、電話機のディスプレイに表示させるものです。

電話機に登録してある電話番号からの着信は、誰からかかってきたのを音声で知らせてくれます。(非通知の場合は、表示されません。)

「ナンバー・ディスプレイ」を利用するには、NTT(116通話料無料)への申し込み(有料、月額400~500円)が必要です。ひかり電話の場合は、その事業者のサービスへの申し込みが必要です。なお、NTTの場合、初回工事費2,000円かかります。

(NTT東日本及びNTT西日本では、70歳以上高齢者及びその同居家族名義の電話については、無料化することを検討しています。)

2)電話機はディスプレイと着信拒否機能付の機種が必要

電話機そのものもディスプレイ機能がついており、拒否設定できる機能を備えた機種が必要になります。

3)拒否設定の方法

電話機のマニュアルをもとに設定します。

なお、私の場合は、在宅時も留守時も「未登録番号着信拒否」とし、在宅時に登録者以外から電話がありそうな時は解除しています。

◎留守時には「未登録番号着信拒否」を設定

長期間家を留守にする時に、電話に何も設定しないでいると、留守中に空き巣が電話をかけて来たときに留守を悟られます。かといって、「留守電」にすると、空き巣に留守を知らせるようなものでNGです。

このため、長期間留守にする時は、「未登録番号着信拒否」設定にすると、空き巣に留守を悟られずに済みます。

従って、長期間家を留守にするときは、「未登録番号着信拒否」の設定を防犯上おすすめします。

◎在宅時も通常は「未登録番号着信拒否」設定とし、未登録者からの電話がありそうな場合は解除する

在宅時には、「アポ電強盗」などの電話を受け付けないために「未登録番号着信拒否」の設定をするようにしています。

しかし、役所などに電話して返事をくれるような場合や、未登録番号の電話がかかってきそうな場合は、「未登録番号着信拒否」の設定を解除します。

4)必要な電話番号の登録

なお、この「未登録番号着信拒否」の設定をする場合は、電話が掛ってきそうな電話番号は、電話機に電話帳登録をしておく必要があります。

登録する電話番号が多いと、少し煩わしい作業となりますが、100件ぐらいであれば30分もあれば登録できます。

老親がおられる実家の場合は、是非、手伝ってあげて下さい。

3.未登録者からの着信対応は基本不要です

未登録者から着信があれば電話機に着信履歴ランプは点灯します。

従って、未登録者からの電話番号は着信履歴で確認できるので、気になる場合は、番号をネット検索して相手を確認します。

大抵は、詐欺や迷惑電話として照会されていますが、市役所などの登録された電話番号の場合は、こちらからかけ直して見ることも良いのですが、大抵、後日、ハガキ等で要件が通知されますので、それを待って対応すれば十分だと考えます。

Ⅲ.最後に

特殊詐欺や空き巣などの被害は、殆ど家庭の固定電話が糸口になっています。

電話機を無防備なままにしておくのは、玄関を開けっぱなしているのと同じです。

防犯の為には、固定電話を「未登録番号着信拒否」に設定にすることをおすすめします。

ご高齢の方は設定が難しく感じられるかも知れないので、身内や関係者の方がお手伝いをして設定してあげましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

関連記事