ご自宅の玄関が引き戸の場合、防犯に不安を感じておられませんか?
和風玄関の場合、ガラスが使われていたり、2枚ドアがレール上で交差し隙間があるなどで、防犯上不安を感じられる人が多いのではないでしょうか?
この記事では、和風玄関引き戸での防犯力強化方法をご紹介します。
目 次
Ⅰ.和風玄関引き戸は防犯性能が高くない
1.和風玄関引き戸とは
瓦屋根といった和風建築の家の多くの玄関ドアには引き戸が主流として使われています。
1)特徴
和風玄関引き戸は、採光のためのガラス使用なので玄関を明るくし玄関間口も広くできるので何かとメリットがあります。
一方、開放的であるが故に空き巣に狙われやすいというデメリットもあります。
2)種類
代表的には、以下の2パターンです。
他にも、3枚~4枚引き違い戸や引き込み戸などもあります。
引違い扉 | 2枚の戸板を、右左どちらでも移動させ、開閉する事ができるタイプです。 一般的に多いのが、この引違い扉です。 |
|
片開き戸 | 片方は壁、片方は戸板で、一枚の戸板を左右どちらかに開閉するタイプです。 |
2.引き戸は一般的に防犯性能が低いと言われる
引き戸が防犯性能が低いと言われる理由は、構造上にあります。
複数枚の戸板を使用しているので、戸と戸の重なり合う部分にできる隙間を利用して、空き巣が侵入を企てるというものです。
さらに、採光のためのガラスは、ハンマーなどで簡単に割られて手を入れ鍵を開けるということです。
このため、空き巣に狙われやすく防犯性が低いと言われます。
引き戸の弱点(空き巣に狙われやすい手口)
空き巣は侵入に5分以上手間取ると諦めると言われます。
しかし、引き戸の場合、次の様な空き巣の手口に弱く、5分以内の侵入を許してしまう恐れがあります。
- ピッキング
- ガラス破り
- こじ開け
- 錠前破壊
1)ピッキング
鍵穴にピックなどの工具を差し込んで解錠する侵入手口で、開き戸よりも戸板が薄いので、シリンダーも短く鍵が開けやすいと言われています。
和風玄関の場合、通常2カ所施錠されているため2カ所のピッキングが必要になりますが、それでも2~3分で開錠されてしまうためピッキングされにくいディンプルキーなどの鍵への交換が必要と言えます。
2)ガラス破り
引き戸の多くは採光性確保からガラス使用が多いため、ドライバーなどでガラスを割られ割れた面から手を差し入れられて内側から鍵を開けて侵入する手口です。
僅か数分で侵入を許すことになり、ピッキングなどより解錠に手間取らないので最も多い手口となっています。
このため、ガラスを強化ガラスに交換することも考えられますが、現状のドアでのガラスの取り替えは難しく、防犯フイルムを貼っても効果はありません。
従って、補助鍵を取り付けると言った対策が必要になります。
3)こじ開け
壁とドアの隙間からドライバーなどの工具を入れテコの原理を利用して鍵を無理やり破壊する手口です。
僅か数分で侵入を許すことになります。
開き戸のように鍵部を外からプレートで覆うなどの対策は取りづらいため、補助錠などの対策が必要になります。
4)錠前破壊
「鍵穴こわし」とも呼ばれ、鍵穴をドライバーなどで殴打破壊し解錠する手口です。
音が出るため、住宅密集地では少ない手口ですが、そうでない場所では、簡単に手口として多用されます。
対策としては、錠前破壊に強い「ディンプルキー」などへの鍵交換が必要と言えます。
Ⅱ.和風玄関引き戸の防犯力強化策
和風玄関引き戸は、以上のように、一般的に防犯性能が低いとされているため、空き巣に狙われない為には、防犯強化対策が必要です。
以下の様な防犯対策を出来るもの実施していくことをオススメします。
1.極端に防犯性能が低い引き戸は交換を検討する
古いタイプで格子がなく極端に防犯性能が低い場合は、できれば、防犯性能の高い引き戸に交換することを検討しましょう!
なお、交換の場合は、格子が多いデザインを選びましょう。
玄関ドア交換にはどのくらいの費用がかかる?
玄関ドアの交換を業者に依頼すると材料費の外、工事代金や撤去費等がかかります。
ランマ付きの場合は、30万円近く掛ると思われます。
ご検討の際は、玄関ドア交換はリフォームに該当するので、まずは各社から見積もりをとって比較することをおすすめします。
手っ取り早くて、簡単にできる「全国優良リフォーム会社への一括見積もりなら【リショップナビ】」をご利用されてはどうでしょうか。
2.ピッキングされにくい鍵に交換する
現在の鍵がピッキングされやすい鍵である場合は、できれば、ピッキングされにくいディンプルキーなどの鍵に交換しましょう!
ディンプルキーは、ピッキングされやすいディスクシリンダーのギザギザした鍵と異なり、表面にデコボコの穴がいくつか開いているのが特徴です。
ただ、ディンプルキーでも「耐ピッキング性能」や「耐鍵穴壊し性能」が低いものがあるのでディンプルキーの耐ピッキング性能や耐鍵穴壊し性能を確認しておきましょう。
●ディンプルキー
とっても強い鍵です。合鍵を複製しにくい鍵で、シリンダーの内側が鍵を破られ難い造りになっています。また、鍵穴壊しにも強いのが特徴です。
リンク
|
●マグネットタンブラーシリンダー
●ロータリーディスクタンブラーキー
なお、自分で交換される場合は、「留守宅防犯|あなたの家の鍵は空き巣の侵入を5分以上阻止できますか?」をご参考にしてください |
3.補助鍵を設置する
引き戸の補助錠には、ドアやドア枠に穴を開けて取り付けたり、粘着テープで貼り付けたりなどの工事不要で設置できるものが多くありますが、外出から戻ったときに家に入る為には、家の内部に補助鍵を設置するのは難があります。
従って、補助鍵は、屋外側に取り付けるタイプのものとなります。
なお、屋外側に取り付ける補助錠は、外から見えるので、防犯対策していることがアピールできますが、逆に、留守が分りやすくなるのでできるだけ目立たない位置に設置することをオススメします。
リンク
屋外側に取り付けるタイプ |
4.ドアと壁の間にガードプレートを取り付ける
戸の鍵のある部分とドア枠の間の隙間を隠すために、防犯金物(ガートプレート)や煙返し(けむりがえし)という部材をドアに付けて隙間を防ぎ、ドライバーを使って鍵を壊す「こじ破り」(ドア錠破り)を防ぎます。
5.スマートキーを設置する
スマートキーを設置すると暗証番号式やカードキー、リモコンキーなどで開錠できる鍵穴がない状態にすることができるので、ピッキングだけでなく、鍵穴壊しも防ぐことができます。
なお、引き戸であるためドアが自動的に閉まらないので、ドアロックがかからないままになる恐れがあるのできちんと締めてロックする必要があるため、現状の鍵を全て閉めた上でスマートキーを防犯上として使うことを推奨します。
なお、玄関引き戸にはスマートキーがつけられない形状(取り付け部が狭い、ネジが通らないなど)があるのでご注意を!
参考記事⇒「スマートロック|後付けビットロックが無茶便利で使い方無限と大評判!」
リンク
|
6.サムターン回し対策として「脱着式サムターン」や「両面ボタンタイプの錠前設置」はおすすめしません
なお、ガラスを割って内側のサムターンを回されるのを防ぐために、サムターン回しを外したり「脱着式サムターン」や「両面ボタンタイプの錠前設置」を推奨する向きもありますが、日常生活の利便性を損なうためおすすめしません。
7.「ドアアラーム」をドアの外側に見えるように設置
「ドアアラーム」をガラスに装着させます。不正にドアが開けられたり、壊された場合にアラームが鳴ります。出来れば、外側からその存在が分るようにしたいものです。
リンク
|
8.ドアセンサーを設置する
ドアが開けられると携帯電話に通知がくる「ドアセンサー」を設置しましょう。
侵入された事を瞬時に察知できますし、周囲に知らせる事もできます。また、犯人も音に驚いて、何も取らずに逃げて行く可能性もありますね。
リンク
|
9.目隠しフィルムを貼り内部が見通せないようにする
透明性が高いと内部の状況(留守かどうか)がわかり留守を察知されるため、目隠しフイルムを貼ると防犯対策になります。
リンク
|
10.玄関ドに向けてセンサーライトを設置する
人感センサーでライトが点くセンサーライトを玄関向けて設置します。特に、夜間の侵入者に効果があります。
リンク
|
最後に
玄関引き戸は、生活上の利便性が高く落ち着いた環境を作りますが、一方、引き戸の構造上、ガラスや隙間を狙った侵入犯罪も多く、防犯上心配な面があります。
特に、引き戸の材質にもよりますが、あらゆる面から防犯性能を高める対策を実施して安心できる環境に整えることをおすすめします。
皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。