屋根・外壁塗装テキスト|大切な家を守る外壁塗装は業者選びが最も重要!

外壁塗装は、大切な家の劣化を防ぎ、快適な住環境を維持する為に必要な大切なメンテナンスです!

外壁塗装は、家を守り、快適な住環境を維持するために不可欠なリフォームですが、大きな費用がかかる上、工事業者によって出来映えも費用も大きく差があります。

後悔しない外壁塗装を行うには、「良い業者を選ぶ」ことが最も重要となります。

その上で、満足のいくコストパーフォーマンスと出来映えを実現させるためには、業者と話し合えるための最低限の基礎知識が必要となります。

目 次

Ⅰ.大切な家を守るために十数年ごとに外壁塗装が必要!

外壁塗装は、家を守るために周期的に行う必要があります。

1.外壁塗装のリフォーム周期はおよそ10数年

住宅は、紫外線や風雨などに曝され日々劣化しているため、長年経つと外壁や屋根の塗装が剥がれ、ひび割れなどが生じ雨水の浸透などで躯体の腐食の原因になります。

このため、大切な家を守り、住環境の快適さを保つためには、およそ10数年ごとに外壁や屋根の塗装補修が必要になります。

2.外壁塗装の主な目的

外壁自体は防水性が低いので、外壁に塗られた塗料が、直射日光や雨風から家を守ってくれます。

しかし、塗料には耐用年数があり、直射日光や雨風の影響で劣化が進み、やがて機能を果たせなくなるため、外壁塗装が必要になります。

外壁塗装には、主に次のような目的があります。

①外観を美しく蘇させる

外壁は、劣化すると汚れが目立つようになります。外壁塗装は、新築同様の綺麗さを取り戻すばかりか、色・材質・デザイン等のリフレッシュもできます。

②耐久性を高め建物寿命を延ばせる

剥がれやひび割れ等による躯体への影響も、塗装によって修復でき建物の寿命を引き延ばせることになります。また、カビやシロアリ等の被害も防ぐことができます。

③断熱効果・遮熱効果を高め住環境の改善に繋がる

塗装によって断熱や遮熱効果を高められ住環境を快適にできます。

Ⅱ.外壁塗装を実施する上での基礎的な予備知識

外壁塗装を実施する際に、最低限の知識を持っておくことが後悔しない外壁塗装に繋がります。

1.劣化のサインは?(こんな兆候があれば塗装が必要!)

現象名 劣化内容
チョーキング現象 紫外線や日光、風雨などで塗装が劣化し塗料成分がチョーク粉のように表面に付着している状態をチョーキング現象という。
塗料の耐久力が失われていることを意味します。
色あせ現象 色が変色する現象。塗料の劣化が始まっていることを意味します。
ひび割れ現象 ひび割れが生じている現象。雨水浸透等で構造材の劣化と住宅強度の低下の始まりを意味します。
雨漏り現象 雨漏りが起きる現象。劣化で外壁塗料の防水性効果がすでに失われ、ヒビ割れや破損の恐れを意味します。

2.塗料の種類と価格、耐用年数の違いは?(塗料選びの知識)

塗料は、材料となる合成樹脂によって、アクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料、等の種類があります。塗料は耐久性を決定する重要な要素となります。

各塗料別の耐用年数、㎡当たりの施工単価(3回塗り料金)及び利用度は下表のようになります。

塗料の種類 耐用年数 3回塗り施工単価/㎡ 利用度等
アクリル樹脂系塗料 約3~8年 1,000円~1,800円 耐用年数短くあまり使われない
ウレタン樹脂系塗料 約5~10年 1,500円~2,500円
シリコン樹脂系塗料 約7~15年 1,800円~3,500円 最もよく使われる(全体の約7割)
ラジカル制御系塗料 約12~15年 3,000円~4,000円
フッ素樹脂系塗料 約12~20年 3,000円~5,000円 コストパフォーマンス性が高い

基礎知識安い塗料を使えば塗装費は下げられるが、耐久年数も短くなり再塗装が早まるため、結果的にコストパフォーマンスが悪くなることに留意が必要です!

3.外壁塗装の工事代金相場

外壁塗装工事費は、建物の各階床面積をすべて足した面積に応じて、下記の様な積み上げ計算で工事別に単価を乗じて算出されます。

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①総床面積30坪(119㎡)の場合に見る外壁塗装工事費の例示

総床面積30坪(119㎡)の外壁塗装工事費見積書を例示します。

面積 単価 合計
足場代 119㎡ 700円/㎡ 83,300円
高圧洗浄 119㎡ 300円/㎡ 35,700円
養生 119㎡ 300円/㎡ 35,700円
飛散防止ネット 119㎡ 100円/㎡ 11,900円
シーリング 119㎡ 700円/㎡ 83,300円
塗装代/シリコン系 119㎡ 3,000円/㎡ 357,000円
廃棄物処理など 一式 20,000円 20,000円
合計 626,900円

基礎知識⇒優良工事業者の見積表は、もう少し細かく、足場・養生の範囲や単価、塗料の種類や塗装面積などが具体的かつ明確に記載されます。
従って、業者を選ぶ際は、より分かりやすい見積書を提示してくれる業者が望ましいといえます。
また、見積書に疑問があれば、遠慮なく質問して相手の対応の仕方を見極めることも重要です。

②外壁塗装のみと屋根塗装同時実施の工事費概算の例示

基礎知識⇒外壁塗装と屋根塗装を同時に実施すれば、足場台などの二重手間の削減等から総コストは割安になります。従って、屋根塗装も同時に実施することをおすすめします。

基礎知識⇒30坪戸建て住宅の場合の塗装工事費用は、住宅の形状等により変わってきますが、平均的には下表の通り、外壁のみ場合は60〜100万円、外壁と屋根込みの場合80〜150万円ぐらいが相場と言えます。

〈30坪の工事費用(足場・洗浄・補修・塗料・シーリング等)概算表〉

外壁塗装 外壁塗装 + 屋根
アクリル 約60万円 約90万円
ウレタン 約65万円 約95万円
シリコン 約70万円 約100万円
ラジカル 約75万円 約105万円
フッ素 約80万円 約110万円
無機 約90万円 約120万円

基礎知識⇒塗料の種類によって、アクリルと無機では3割ぐらいの価格差が出る。

4.外壁塗装に助成金等支援が受けられる地域がある(要調査)

基礎知識⇒地域によっては、制度がある場合があるので予めチェックし、利用できる場合は、工事を契約する前に届け出が必要ので注意が必要です。

屋根外壁塗装には、市町村から補助金や助成金が受けられる場合があります。
市町村によって実施の有無・期間・要件・補助の規模等が様々なので、実際のところは、お住いの市町村情報を確認する必要があります。

⦿屋根外壁塗装のリフォーム工事が、省エネ等一定の要件(遮熱や断熱効果がある塗料を使うことなど)を満たせば、工事費の一部、概ね、1割程度(地域差が大きいが、上限を10万~20,30万円としているところが多い)が補助されるというものです。

従って、工事費が100万円以上であれば10万円位の返済不要の補助金が受けられることになります。

補助を受けるには、工事実施前に申請しなければならないので、工事を依頼する場合は、補助金申請を支援してくれる業者であるかを確認しておくことをおすすめします。

詳細は、こちら⇒「屋根外壁塗装の補助金(助成金)を市町村から受ける要件と手続き

5.塗装工程で注視すべきこと(予備知識)

①コーキングの『打ち替え』『打ち増し』を注視する

建物は、日々ほんのわずかに揺れているので、その衝撃を緩和するため外壁材同士につなぎ目を作り、その隙間にコーキング材が埋められています。

コーキングは、劣化すると隙間から雨水が浸入し内装材や建築材の劣化が進むため、古くなったコーキングは全て撤去し、新たにコーキングに変える『打ち替え』が必要になります。(古くなったコーキングの上からコーキングをさらに打つ『打ち増し』もあります)

基礎知識⇒コーキングの『打ち替え』が必ず実施されるよう注視する必要があります。

②丁寧な釘頭のパテ作業が行われたかを注視する

外壁パネルは、家の基礎部分に『釘留め工法』で釘留めするのが主流になっています。このため、建物が揺れた時に外壁パネルに負荷が掛かりパネルにヒビ割れを発生させたり、釘周りに欠損が生じやすくなっています。偽壁塗装の際は、釘を弾性パテで一つひとつ埋めて、釘が揺れても塗膜割れを起こさなくなるようにすることが大事です。

基礎知識⇒偽壁塗装の際は、釘を弾性パテで一つひとつ埋めるよう注視する必要があります。

Ⅲ.後悔しない外壁塗装は「業者選び」で決まります!

1.外壁工事は、高額な費用がかかる

外壁塗装は、足場や枠組みを組んだり、外壁を洗浄したり修理した上に高価な塗料を念入りに塗布していくために高額な費用がかかります。

2.コストパフォーマンスは工事業者次第

このため、外壁塗装は、コストパフォーマンスが高く出来映えに満足できることが求められますが、費用も工事内容や出来映えも工事業者の「質」で決まります。

従って、善良で誠意があり、こちらの意向を受け止め、こちらと綿密にコンタクトをとりながら進めてくれる業者を選ぶことが最も重要な課題となります。

3.クレームや悪質業者が多いのもこの業界!

「(財)住宅リフォーム」によると、1日20件以上のクレーム相談があり、相談の三分の一が、塗装関係クレームとなっているということです!

塗装業界は、「安ければ手抜き」と呼ばれる業界で、「下処理を省く」「 3回塗りを2回塗り」「塗料を薄めて利用」する等の手抜きが行われやすいのも事実です。

また、突然訪問による強引営業などの悪質業者被害が後を絶たないのも事実です!

4.良い業者探しは、複数社の「相見積もり」で吟味する!

良い業者探しには、優良企業の複数社から相見積もりを取り、各業者と良く話し合い納得いくことが重要です!相見積もりをとらず、安易な業者選択をするとクレーム・トラブルが多く発生しがちになります。

ィ.私の体験から学んだ施工業者選びの重要性

数年前に屋根と外壁の塗装を実施しました。結果、工事をお願いした業者は、非常に安い価格ながら工事内容は申し分なく、今でも大変満足させていただいてます。

①5社に見積もり依頼

私は、ネットで調べ塗装工事店をピックアップし、ハウスメーカー系列M社とホームセンター系列U社、大型電気店系列Y社、個人企業系S社と、T社の合計5社に見積もりを依頼しました。

②各社が来訪し建物診断実施

間もなく各工事業者1~2名の方が来られ、現地調査を実施。簡単な検分で終わったところと、そこまで時間かけるかと思われるくらい熱心にかつ面談を交える業者がありました。(あまり長時間労力をかけられると断りにくくなるなとの思いがするほどでした)

③5社の見積(100万円から198万円の開き)から3社に絞り込み

数日後、各社から、届けられた見積もりは下記の通りで、同タイプの塗料仕様でありながら大きな価格差がありました!

工事規模は、屋根が72平方m、外壁が152平方m、ベランダ床が5平方mの寸法でそれぞれから次の提示価格がありました。

外壁業者 見積額  評価
U社 ホームセンター系列 198万円 ×
M社 ハウスメーカー系列 175万円 ×
Y社 大型電気店系列 187万円
S社 個人企業 100万円
T社 個人企業 117万円

結局、Y社、S社、T社に絞り込み、他社は鄭重にお断りしました。

④3社の見積もりを基に業者選びの開始、3社から細部説明を受ける

3社から個別に説明を受け、質問などで理解を深めた上、後日連絡することとしました。

⑤結局、T社に決定

結局、細やかな提案型の熱意ある社長の説明等を基にT社に決定し、他社は電話で鄭重にお断りしました。

ハウスメーカー系や大型電気店系業者は、機械的な見積もりで型どおりの価格設定なのに対して、T社は、細かいところまで下見をし細かい作業内容や箇所を積み上げて、漏れがない説明つきの見積もりでした。特に、他社が二度塗りに対して三度塗りであり、かつ、価格は、大手の半値近くを提示、私もそういう価格でできるのかと半信半疑で、安ければ手抜きの恐れもあるとも思われたのですが、社長の人柄に納得できたので決定しました。

いよいよ工事スタート

〈架設足場の組み立て設置〉

12月という時期にもかかわらず、早速、「架設足場組み立て」が始まり、しかもしっかりしたやり過ぎのような足組でした。大手系の架設工事見積もりは、32~33万円と計上されていたのに対し、T社は僅か12万円でした。

しかし、設置された仮設足場は、ここまで重層な足場が必要かと思われるくらいしっかりしたものでした。(お蔭で工事の合間に2階の屋根裏に防犯カメラを自分で取り付けるなどいろいろ活用させていただきました。)

ジェット噴射水洗いからスタート

その2~3日後に、塗料などの資材が運び込まれ、ジェット噴射の水洗いによる壁や屋根の洗浄がスタートしました。

本格作業スタート

・「シーリングうち替え」⇒「養生」⇒「屋根塗装(吹き付け)」⇒「軒天・樋・破風版塗装」⇒「外壁塗装(3回塗り)」⇒「雨戸塗装」⇒「縦樋・水切塗装」⇒「足場解体」

以下が工事の進行状況です

12月9日 1日目 塩清め、作業開始、架設足場組み立て
12月10日 2日目 屋根、外壁、ベランダ、塀、雨戸等を高圧洗浄          アンテナ撤去、屋根の鉄のくぎ打ちや補修、外壁補修
12月11日 3日目 屋根―くぎ打ち、補修後下塗り(白)、錆止め
12月12日 4日目 コーティング打ち直しのため溝から引きはがす屋根の割れ補修
12月13日 5日目 昨日に続きシーリング作業、マスキングテープ
12月14日 6日目 昨日に続きシーリング作業、マスキングテープ
12月15日 日曜 休み
12月16日 7日目 養生、大工仕事
12月17日 8日目 壁下塗り、ブロック塀下塗り、色見本部分塗りで判断
12月18日 雨のため工事休み
12月19日 雨のため工事休み
12月20日 雨のため工事休み
12月21日 9日目 雨後の点検、塗装中塗り
12月22日 10日目 上塗り、2階ベランダ床の防水塗装
12月23日 11日目 上塗り、雨戸、戸袋塗装
12月24日 12日目 上塗り、出窓、勝手口扉など塗装
12月25日 13日目 チェック、微調整
12月26日 14日目 架設足場撤去、清掃、終了

⑦工事完了後の満足度

特筆すべきは、毎日のように社長さんが顔を出し、工事をところどころ手伝ったり指示を出して、その旨の報告もいただきました。お蔭で毎日の工事の進行具合がわかり安心できました。

・期間中3日ほど雨の日もあり工事が中断しましたが、12日ほどの予定が三週間近くかけていただき出来栄えは大いに満足のいくものでした。

・さらには、予定になかった黒ずんだブロック塀やベランダ床まで「残った塗料」を使い塗装していただいたのには感謝の気持ちでした!

ロ.最適な業者選びは、複数社相見積もりがポイント!

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最後に

外壁塗装は、家を守る上で、また快適な住環境維持のためには重要なリフォームとなります。

しかしながら、外壁塗装(含む屋根塗装)は、高額な費用がかかります。

いかにコストパーフォーマンスの高い外壁塗装を実現できるかが、後悔のしないリフォームとなります。

そのためには、優良工事業者による複数社からの相見積もりの検討からスタートするのが鉄則です!

そためには、自ら業者を探すのは至難の技であり時間と労力の無駄で結果に補償はありません。

あらかじめ厳しい審査を通して選別した登録優良会社を全国に網羅的に抱える「ヌリカエ」を利用することをお勧めします。

是非、これから外壁塗装を検討される場合は、複数社の相見積もりをもに、業者の説明を受けてじっくり業者を選定することをお勧めします。

ーーーーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーーーーーー