自動車保険「運転者限定なし・35歳以上」は25歳他人は補償対象か?

自動車保険契約で「運転者限定なし・35歳以上」の条件設定していますが、知人の子25歳に車を貸して事故を起こした場合、補償の対象になりますか?

実は、誤解されている方が非常に多い問題なのです。

このため、要らぬ「年齢条件引き下げの契約変更」をしたり、「※ちょいのり保険」を使うなどの無駄な経費を費やしている可能性が高いのです。

※東京海上などの「ちょいのり保険(1日自動車保険)」は、親や友人の車を借りて運転するときの事故を補償する自動車保険。24時間800円でスマホやコンビニ等で申込みができる。

紛らわしい「運転者限定及び年齢条件」の解釈!

1.自動車保険契約は、運転者や年齢条件が規定されます

自動車保険は、運転者と年齢条件を規定することになっています。

運転者の規定は、運転者を限定する「運転者限定」と、運転者を限定しない「限定なし」の区分があります。

運転者を限定する「運転者限定」は、「限定すればリスクを減らせる」という考えから保険料の割引を受け安くなります。

なお、限定できる運転者は、同居する親族及び別居で未婚の子までとなります、

1)「運転者限定」規定

運転者を限定することによって保険料を安くできる制度です。

(1)補償は、限定された人の起こした事故が対象

運転する個人を特定して、その人が運転して事故が起こした場合のみ補償されるという制度です。従って、限定された人以外の者が運転して起きた事故には、一切補償は受けられません。

なお、保険会社によっては運転者限定規定がない場合もあります。

(2)限定範囲は、本人と同居の家族のみ(別居の未婚の子を含む)

特に注意すべきは、「限定できる運転者の範囲」は、「本人を含めて同居の家族に限定」されます。

従って、同居していない親族や他人を限定に含めることはできません。

但し、別居の未婚の子は、限定の対象に含めることができます。(要注意!)

(3)限定方法は「本人限定」「本人・配偶者限定」「家族限定」の3種類

運転者の限定方法には、「本人限定」、「本人・配偶者限定」、「家族限定」の3種類です。

表の通り、「本人限定」が最も割引率が高くなり保険料が安くなります。次いで「本人・配偶者限定」が安く「家族限定」とつづきます。

従って、「運転者限定なし」の場合は、一切の割引率適用がなく保険料は高くなります。

なお、「家族限定」では、同居の親族は全員対象になりますが、別居の子供は、未婚のみが対象で、結婚していれば対象外になります。(要注意!)

運転者の限定 運転の限定対象者 保険料割引率
限定なし 誰(他人も含む)が運転しても補償される 無し
家族限定 本人、配偶者、同居の親族、別居の未婚の子
本人・配偶者限定 本人と配偶者
本人限定 本人のみ

2)「年齢条件」規定

「年齢条件」規定は、車を運転する人の年齢を制限する事で保険料を安くできる仕組みです。

(1)「年齢条件」規定は、「同居家族の範囲内だけ」の条件です!

なお、ここで一番誤解されやすいことは、年齢条件は、あくまでも家族の範囲での年齢条件であると言うことです!従って、この年齢条件は、家族以外の方には無関係の条件です。

「年齢条件」を設定する際は、まず「運転者の範囲」を確認し、その中で「最も若い方の年齢」に合わせて設定することがポイントです。

なお、「運転者年齢条件」に含まれる方は、以下の方々(家族及び家族の業務従事者)となります。

1.主に運転される方(記名被保険者)
2.主に運転される方(記名被保険者)の配偶者
3.「主に運転される方(記名被保険者)またはその配偶者」の同居の親族
4.上記1~3に該当する方の業務(家事を除きます)に従事中の使用人

上記以外の「別居の未婚の子」や「お友だち」等は「運転者年齢条件」の設定の範囲には含まれません。従って、家族以外の方には年齢条件はつきませんので、「運転者年齢条件」に関わらず補償されます。

※慌ててチョイノリ保険や年齢条件変更は損ですよ!

「家族限定」では別居の未婚の子が補償対象に含まれるとしながら、年齢条件が「35歳以上」となっていても、別居の未婚の子は年齢条件の制約を受けずに補償の対象になります。(紛らわしいですね!)
従って、「運転者限定無し」で「35歳以上」の契約は、同居の家族でないならば、一切年齢に関係なく補償対象になります。20歳の他人が運転しても補償されるということです!
外孫などが来て運転したいと言った時に、チョイノリ保険をかけたり、保険の年齢条件を下げたりする人が多いと思われます!損しますね!

(2)同居家族運転者の年齢を見て「年齢条件」の変更確認が必要

同じ補償内容で「運転者年齢条件」を変えた時の年間保険料は、下表(例示)の通りとなります。

「年齢を問わず」が一番保険料が高くなり、年齢条件をつける場合は、年齢を高く設定するほど保険料は安くなります。

従って、「運転者限定なし」にした場合、自分(40歳)以外に家族で運転手がいない場合は、必ず、年齢条件を「35歳以上」にすべきです。
ここでは、別居世帯を持つ子の年齢は一切考慮する必要はありません。
家族以外は、年齢にかかわらず補償対象になります。

また、車を運転する一番若い方が誕生日を迎えたら、自動車保険の年齢条件を見直しすることが必要です。保険期間の途中でも、契約内容の変更はできます。

〈運転者年齢条件別年間保険料例(年払の場合の年間保険料例)〉

運転者年齢条件
年齢を問わず補償 21歳以上補償 26歳以上補償 35歳以上補償
年間保険料 66,330円 32,730円 22,260円 22,170円

〈再々要注意⇒年齢条件は家族のみの条件です〉

運転者限定なし」での年齢条件は家族のみの条件であるので、知人や他人は年齢条件はつかず何歳であろうと補償対象になります!

②子が結婚して家を出た時は、年齢条件の変更が必要(しなければ損)

今まで運転する50代夫婦が25歳の子が運転できるよう年齢条件を「21歳以上」にしていた場合、子が結婚して家を出た場合は「運転者年齢条件」を「35歳以上」に変更すれば保険料は安くなります。また、「運転者限定無し」の場合は、結婚して家を出た子は年齢にかかわらず補償対象になります。

2.「年齢条件」規定の見直し・変更手続きは簡単

運転者の年齢条件は、保険期間の途中でも、電話や「ホームページ」上ですぐに変更できます。

変更内容によって、保険料の返還や追加保険料が発生します。

最後に

自動車保険はともすれば勧められるままに契約しがちで、内容については、説明時の推奨のまま丸呑みにしがちとなります。

なかでも、後で契約書を見た場合、運転者限定の有無と年齢条件の関係性が、いくら契約書を読み直しても、誤解してしまいがちになります。

運転者を個人名で限定する場合は、簡単なのですが、運転者を「限定無し」にした場合、年齢条件をつけて保険料を極力安くしたいと思い、自分の年齢と家族や別世帯を持つ子を含めて運転できる年齢を設定しがちになります。

しかし、そもそも、そこが誤解なのです。年齢条件は、そもそも、同居の親族までであって、別世帯や他人は無関係で、「限定無し」だけが意味を持つのです!

従って、外孫が、運転免許を取ったので練習したいと言われても、「チョイノリ保険」や保険契約の年齢条件変更は不要なのです!

もっと分りやすい契約書を作ってもらいたいものですね!

最後までお読みいただきありがとうございました。

ーーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーー

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