Googleドライブのスキャン機能で紙文書のPDF化やOCR利用が簡単にできます
Googleドライブアプリのスキャン機能を使えば、目にした紙文書やポスターなどをスマホカメラで簡単にPDFにしてGoogleドライブに保存できるので、情報収集や整理、共有など非常に便利に利用できます。
また、PDFを文書アプリのGoogleドキュメントで開けば文字読み取りのOCR機能が働きテキスト編集ができます。
当記事では、Googleドライブのスキャン機能を使ってPDF化する方法及びOCRの使い方をご紹介します。
Googleドライブアプリのスキャン機能を使えば、目に入る紙文書や印刷物などをスマホでPDFにしてGoogleドライブに保存できるので、いつでもどの端末からでもアクセスでき、文書整理や管理に役立ち、他者との共有もできます。
また、PDFをGoogleドキュメントで開けば、テキスト文書に変換できるためOCR機器としても利用できます。
目 次
Ⅰ.Googleドライブのスキャン機能
1.スキャン機能とは
スキャン機能とは、書類や画像をデジタルデータに変換する機能のことです。
通常は、専用のスキャナー機器を使って文字や絵、写真などが書かれた紙媒体を読み取りPDFに変換し、パソコンやクラウドなどに保存して書類や領収書の整理などのデータ保管管理などに利用されます。
2.Googleドライブのスキャン機能
1)Googleドライブのスキャン機能とは
Googleドライブのスキャン機能とは、Googleドライブアプリに備わった機能で紙文書や領収書などの紙媒体や画像をスマホカメラで撮影しPDF形式※や写真形式にしてGoogleドライブに保存できるというものです。
スマホのスキャンアプリには、Adobe ScanやScanShot、Googleフォトなどがありますが、Googleドライブアプリの場合は、直接Googleドライブに保存できるため、いつでもどこでもどの端末からでもデータにアクセスすることができ、他者との共有も可能となります。
また、Googleドライブには、Googleドキュメントの文書作成アプリが備わっているため、保存したPDFをGoogleドキュメントで開けばPDFファイルから文字を読み取りテキストデータに変換してくれるのでOCR機能としても利用することもできます。
※PDFとは PDF は、Adobe 社が開発したファイル形式で、端末やOS などの違いがあっても、文書等のレイアウトを崩さずに表示や保存あるいは印刷ができるファイル形式で、メールの添付資料として広く利用されています。また、PDF化によってサイズを小さくできるので保存に負担がかからないメリットがあります。更に、PDFの文字をテキストとして認識することもできるのでファイル内の文字検索が容易にできます。 |
2)Googleドライブのスキャン機能のメリット
以下の様なメリットがあります。
①スマホがあればいつでもどこでもスキャンが可能
専用のスキャナー機器がなくても、スマホカメラで紙書類やパネル掲示板、ポスターなどををPDF(電子文書)やJPEG(静止画像)のデジタルデータにして保存することができる
②データがGoogleドライブに保存されるため、PCや他のデバイスからも簡単にアクセスできいつでもどこでも編集等が可能
③データがGoogleドライブに保存されるため、メール添付や他者との共有も可能
④複数のページを一度にスキャンして1つのファイルにまとめることができるので書類整理に便利
⑤データをGoogleドライブのGoogleドキュメントで開けば、データからから文字を読み取りテキスト作成できるOCR機能が利用できる
⑥スキャンした画像をその場で、切り抜き、回転、明るさ調整、汚れ除去などの編集ができる
撮影する環境や書類の状態によって、スキャン画像の質が左右されますが、画面が明るすぎたり、暗すぎたりする場合は、自動補正機能を利用して、より鮮明なスキャン画像に調整することができます。また、切り抜き、回転、色の調整などの調整が簡単にできます。
⑦複数ページの同時スキャンも可能
3.Googleドライブのスキャン機能の使い方
スマホによるGoogleドライブアプリのスキャン機能の使い方手順は以下の通りです。
step2. 画面右下の新規アイコン「+新規」をクリックする。または、「カメラ」アイコンをタップする。
step3. [スキャン] をタップする(Step2.で「カメラ」アイコンを選択した場合は、このStepは不要)
step4. カメラが起動するので、書類を撮影する
カメラを被写体に向けるとスキャン範囲(枠)が表示され自動的に撮影されます。自動的に撮影されないときは、下の「シャッター」アイコンをタップします。
Step5. スキャンしたドキュメントの下段に並ぶ編集アイコンを使って編集する。また、「+」を押してスキャン画像を追加することができる
編集アイコンには、「切り抜きと回転」、「フィルタ」、「汚れ除去」、「再撮影」などで調整ができます。
例えば、「切り抜き」をタップすると、自動で書類の切り抜き範囲が設定されるので、4つの〇(隅マーク)を一つずつ押して隅にしたい位置にずらして外側をカットします。
「フィルター」アイコンでは、色などの修正ができます。
また、「+」アイコンにより複数ページを1つのファイルに保存することができます。
step6. 良ければ、右上にある「完了」アイコンをタップする
step7. アップロード(保存)画面が表示されるので、「ファイル名」枠に適当なファイル名を入力、「形式」枠には、PDF形式か写真形式するかを選択し、「場所」枠には、アップロード先となる [フォルダ]を 「▼」により選択して、最後に、右上の「アップロード」をタップする
なお、保存場所がマイドライブの特定フォルダである場合は、「▼」で「マイドライブ」を表示し保存するフォルダをタップして指定します。
また、ファイル名や保存場所については、あとから、当該ファイルの右端の『︙』をタップし「名前を変更」で変更して「完了」ボタンを押せば変更できます。
以上でスマホカメラでスキャンした紙資料などがPDFファイルとして Google ドライブに保存されました。確認するには、右下の「ファイル」アイコンをタップし保存されたことが確認できます。
Ⅱ.GoogleドライブのOCR機能
GoogleドライブのOCR機能(文字読み取り機能)は、Googleドライブの文書作成編集機能であるGoogleドキュメントとで開くことによりPDF等の文字を読み取りテキスト作成が可能になるという仕組みです。
1.OCR機能とは
OCRは、紙の書類をデジタルデータとして利用するための技術で、業務効率化やペーパーレス化を推進する上でに不可欠なツールとなっています。
OCR機能とは、「Optical Character Recognition (光学的文字認識)」の略で、スキャナなどで画像データに含まれる文字を認識し、テキストデータに変換する技術のことで、紙に印刷された文字や手書きの文字を、デジタルデータに変換することができます。
この機能を使うことにより、手作業によるデータ入力が省力化され、テキスト作成時間を短縮することが可能になります。
OCRは、企業では、文書管理、領収書や請求書のデジタル化、名刺管理、帳票の自動データ化などに広く使用されています。
なお、手書き文字は、AI-OCR(AI技術を応用したOCR)で読み取り精度が向上していますが、筆圧が弱くかすれている文字や乱雑な文字、縦書きと横書きが混在している場合などは読み取れないので注意が必要です。
2.Google ドライブのOCR機能のメリット
GoogleドキュメントでPDFを開くとPDFや画像から文字を自動的に抽出しテキストファイルに変換することができます。
これにより、うまく使えばプレゼンテーションや会議資料などの作成において、手打ち入力手間が省けるなどのメリットが享受できます。
3.GoogleドライブのOCR機能の使い方
PDF等のファイルの文字を読み取りテキスト化する手順をパソコンとスマホの場合に分けてご紹介します。
なお、スマホの場合、機種によってはGoogleドキュメントに変換する際に、「アプリを開く」メニューで「Googleドキュメント」が表示されない場合があります。この場合は、テキストファイル化ができないので、パソコンでGoogleドキュメントに変換する必要があります。
1)スマホの場合
Step1. Googleドライブアプリ(
・手書きや印刷文書の画像ファイルをGoogleドライブにアップロードする
Step2. 画面右下の「+」アイコンをタップし、「アップロード」をタップする
・Googleドライブにアクセスし、左上の「新規」をクリック後、「ファイルのアップロード」を選択します
Step3. アップロードするファイルをタップする
・アップロードが完了したら[マイドライブ]でアップロードされていることを確認する
Step4. アップロードしたファイルを右クリックし、「アプリで開く」から「Googleドキュメント」を選択する
なお、「アプリで開く」の選択肢に「Googleドキュメント」が表示されない場合は、このスマホ端末ではGoogleドキュメントへの変換ができないため、パソコンによってGoogleドキュメントに変換することになります。
Step5. 自動的にOCR処理が完了し、画像とテキストデータが一緒に表示される
・自動的にOCR処理が開始され、画像内の手書き文字がテキストとして抽出され、上部に画像ファイル、下部に文字を抽出したテキストデータが表示されます。
Step6. 必要に応じて、テキストデータを編集する
以上で、PDFのテキスト文書かが完了します。
なお、手書きの文字の読みにくい場合や、文字が小さすぎる場合は、OCRの精度が低下する可能性があり、完了後は、テキストデータに誤まりがないかを確認する必要があります。
2)パソコンの場合
Step1. Web版Googleドライブを開き、画面左上の「+新規」をクリックする
Googleのトップページを開き、画面右上にある「Google アプリ」アイコン(9個の点)をクリックし、表示されたメニューから「ドライブ」をクリックすると、下図のWeb版Googleドライブのスタートページとなります。
Step2. 「ファイルのアップロード」(フォルダごとの場合は、「フォルダのアップロード」)を選択する
⇒ |
Step3. アップロードしたいファイル(又はフォルダ)を選択クリックする
Googleドライブにアップロードしたいパソコン保存のファイルまたはフォルダをダブルクリックします。
※単一の画像やPDFファイルをアップロードする場合は「ファイルのアップロード」を、フォルダ内の複数のファイルをまとめてアップロードする場合は「フォルダのアップロード」を選択します。
なお、パソコンの場合は、ファイルをGoogleドライブのフォルダにドラッグ&ドロップしてアップロードすることもできます。
Step4. アップロードされた画像ファイルを右クリックし、「アプリで開く」で表示されるメニューから「Googleドキュメント」を選択してクリックする
Step5. 自動でGoogleドキュメントに移動し、OCR(文字の抽出)が完了し文字を読み取ったドキュメント文書が作成される
上部に画像ファイル、下部に抽出したテキストデータが表示されます。
3)GoogleドライブのOCR機能を使う上での留意点
OCRの精度を高めるためには、画像が鮮明で解像度が高いこと、及び、文字が歪んでいないことが必要です。
OCRは正確な文字認識が求められるので、Googleドライブのスキャン機能を使ってPDF化したファイルをGoogleドキュメントで開いてテキストファイルを作成するには、元の紙文書の文字が認識可能な字体やおおきさであり、配列や画像内の文字が歪んでいないことなどクリアな画像になることが必要です。
OCRで読み取れる文字は、主に印刷された文字や、ある程度整った手書き文字でなければなりません。
新聞、書籍、名刺、領収書、請求書など、印刷された文字は高い精度で読み取れますが、手書き文字については、AI-OCRの発展により、手書きの住所、氏名、電話番号などは読み取れますが、本文の崩れた文字や歪んだ字並びの文章は読み取れない場合があります。
また、テキスト領域を適切に選択することも重要となります。画像内にテキスト以外の余計な要素がある場合、それらを避けてテキストの抽出範囲を指定します。選択範囲を正確に設定することで、不要な情報がテキストとして抽出されることを防ぎます。
4)GoogleドキュメントをWord形式へ変換する方法
GoogleドライブのGoogleドキュメントは、MicrosoftOfficeのWordとの互換性が極めて高いので、Googleドキュメントのファイルをパソコンなどにダウンロードすれば、自動的にWord形式のファイルに変換されます。
逆に、パソコンで修正したWordファイルをGoogleドライブにアップロードすれば自動的にGoogleドキュメントに変換されます。
従って、GoogleドライブでPDFをGoogleドキュメントに変換したテキストファイルをPCなどにダウンロードすれば慣れたWord形式で文書作成が行なえます。また、それをGoogleドキュメントとして保存したい場合は、Googleドライブにアップロードすれば自動的に変換されます。
従って、パソコン等が手元になく、スマホから直接Googleドライブで文書等の作成や編集する必要ある場合はやむを得ませんが、手元にパソコンがある場合は、Googleドキュメントをパソコンにダウンロードして慣れたWord形式で作成編集されることをおすすめします。
〈GoogleドキュメントをWordで開く手順〉
Step1. Googleドライブを開き、Wordに変換して編集したいGoogleドキュメントを右クリックする
Step2. 表示されたメニューの「ダウンロード」をクリックする
これでGoogleドキュメントファイルはパソコンにダウンロードされます。
Step3. パソコンのエクスプローラーの「ダウンロード」欄には「Word.docx」に変換されてダウンロードされていることを確認する
Step4. ダウンロードされたファイルを開きWordアプリで文書編集を行なう
なお、再度Googleドライブにアップロードすれば、自動的にGoogleドキュメント形式に変換されます。
以上で、Googleドキュメント形式の文書をWord形式に変換して、慣れたWordアプリで文書編集ができるようになります。
Ⅲ.最後に
Googleドライブには、スマホカメラを使ってスキャンできる機能が利用できるため、目に付く紙文書やポスターなどをすぐにPDFにしてGoogleドライブに保存できます。このため、どこからでもアクセス可能で書類整理や他者との共有等が可能になります。また、Googleドキュメントで開けば、文字を読み取りテキスト編集が可能になるため入力作業の軽減に役立ちます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ーーーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーーーー
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