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定年退職金は、一時金で受け取るべきか年金か?
大切な定年退職金の受け取り方について一時金で受け取るべきか、企業年金で受け取るべきかについて様々な損得の議論がなされています。
※ここで言う企業年金には、厚生年金基金(縮小傾向)、確定給付企業年金、確定拠出年金、中小企業退職金共済制度等を含みます。
一時金で受け取る方が手取りが多くなるとの解説が多いが?
会社にもよりますが、定年退職金の一部を企業年金等の年金で受け取ることができる場合、全額を一時金で受け取るのと、年金で受け取るのとでどちらが得かということについて様々な意見があり結局どちらかというと税金や社会保険等の関係で手取りでは一時金だというご意見が多いようですね。
というのは、一時金で受け取ると、退職所得として税制優遇で税金が安くなる上、社会保険料も低く抑えられますが、年金受け取りの場合は、公的年金と同扱いの雑所得となり所得税や社会保険料などの負担が生じ、たとえ年金運用で支給総額が一時金受け取り総額を上回っても、手取り総額で見ると一時金受け取りの方が多くなるといった算出からきています。
(参考)退職金の税金等の取り扱い
退職金を一時金で受け取れば、「退職所得」として他の所得と合算せず「分離課税」扱いとなります。 一時金から、「規定の退職所得控除額」が引かれた金額の二分の一が「退職所得」となります。 |
受け取った一時金をどうする?老後に備えは?
しかし、一時金で受け取ってどうするかというのが一つの大きな問題です。
住宅ローンなどの負債が残っている場合は、やはり退職金で清算してしまうことが第一ですから、その場合は何をさておいても一時金で解決してしまいたいものです。また、かつて懸案の使途があればそれにも必要です
しかし、それ以外の残った一時金をどうされますか?
銀行に預けてもほとんど金利はつかないし、下手に不慣れな配当やキャピタルゲインを狙った株式投資・投信や家賃収入狙いの不動産投資などに回した場合、或る日突然の急激な環境変化で大幅に元本を減らしてしまうことも大いにあり得ます。そうなれば一時金の方が手取りが多くなるからなんて無意味になりますね!
また、手元に大金があるとついつい欲しいものやりたいことが膨らみ大旅行や高価なものなどへの衝動買いなどで減らしまうことにもなりかねませんね。旅行や買い物は日常の蓄積で満たしたいものです。
一時金か年金かは老後の安心の視点に立って
従って、手取総額が大きくなるから一時金の方が得だといった議論は、老後を見据えた生活設計にはあまり参考にしたくない視点のように思えます。
退職金はそろそろ現役を引退する時期が近づいたという区切りの証であり、例え元気で現役を続けていくことができても、やはり退職金は老後の安心にとって貴重な財産として扱いたいものですね。
老後の安心に備えては「年金化」が第一!
従って、会社の退職金制度において企業年金制度があるのであれば、「住宅ローンなど負債が残っている場合」や「かねてからやりたいことがあった場合」などの必要な金額分は別として、特段の使途がなければ、思い切って極力年金化(老後の確実な安定収入源とする)してしまうことが老後を安心に迎えるための最善の方向付けではないでしょうか?
退職金の年金化の視点(ポイント)
そして、できれば会社の企業年金制度の中で
①極力最大限の年金枠を活用する・・必要な一時金を除いた上での話ですが。
②可能な限り長期間設定にする・・通常は15年位が最長か?
③可能な限り年金受給開始年齢の先送りをする。・・働ける間は不要。
等の視点に立って退職金の年金化を進められては如何でしょうか?
もちろん、どうしてもの時は途中で一時金として受け取れることもできるはずです。
企業年金は従業員のための福利厚生の一環
企業年金は、基本的には会社の従業員のための福利厚生事業の一環であり、大抵は、会社のなにがしらの支援のもとに企業年金基金なる運営母体があり、その専門母体が金融会社に委託して年金運用をしている形をとっています。
このため、常に、基金と委託金融会社との間でチェック機能が働き、個人で保険会社と年金積み立てするよりは安心感と親近感が持てると考えます(多少は会社の風土にもよりますが)。
最後に
老後20~30年を考えた場合、他に家賃収入が入り続けるとか運用資産が豊富にあれば別ですが、そうでなければ長期間安定した年金収入(国民年金+厚生年金+企業年金)が保障される形を整えることが老後の安心に繋がる最善の選択と考えます。皆さんの判断のお役に立てば幸いです!
なお、下記の関連記事もご覧いただければ幸いです。
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