リウマチ薬「バリシチニブ」のコロナ治療薬承認と「アビガン」の再治験開始承認の意義

え!12月申請のコロナ治療薬の承認がなぜ今(4月下旬)なの?急がれる中審査期間の長さに疑問

本日(4月22日)、リウマチ薬「バリシチニブ」が国内3例目となるコロナ治療薬として厚労省の専門部会が了承したことを受け、厚労省は承認する作業に入ったと報道された。

この3つのコロナ治療薬は、いずれも主に重症患者向けとして承認されたものであるが、コロナ治療薬が新たに承認されたことはコロナに怯える国民にとっては非常に明るいニュースであり、コロナ克服に大きく寄与するものと期待されます。

しかし、疑問は、4カ月も前の昨年12月に、所定の治験を経て良好な結果をもとに申請がなされたにもかかわらず、専門部会が審査に4カ月もの貴重な時間(患者にとって)を費やさなければ結論が出せなかった原因は何なのかということです。

新型コロナ発生から1年以上経つ中で亡くなられる方が後を絶たず、また、感染拡大で国中がコロナ禍の対応に追われている中で、最も急がれなければならない治療薬やワクチンの開発審査に、これだけの時間を経なければ結論が出せない理由は何なのかを知りたいものです。

なお、この「バリシチニブ」は、既に米国では、昨年11月にレムデシビルとの併用でコロナ治療薬として緊急使用許可が出され重症患者治療に使用されているものです。

緊急事態だの、蔓延防止などと、行動自粛による感染拡大防止しか手がない中で、ワクチン、治療薬開発は一刻を争う国の最大使命であるはずです。

にもかかわらず、「俺たちは出てきたものを審査するのが最大使命だ、開発は民間が自己責任でやるものだ」といった平時の対応しかできないばかりか、申請された審査においても、一刻も早く結論を出さなければならないという役割認識がみられないのには理解に苦しみばかりです。

一方、今日、アビガンの再治験開始が厚労省に承認されたとの報道も出された!

富士フイルムは、昨年12月に厚労省により承認を見送られたアビガンのコロナ治療薬転用について、方法を変えて臨床試験を再開することで厚労省の承認を得たと21日に発表しました。

富士フイルム、アビガン治験再実施 

国内で4月にも                  日経 2021年2月21日

前回の治験方法は、医師が事前にアビガンが本物か偽物かを知って実施したが、今回は、患者も医師もアビガンが本物か偽物かを判らない状態で実施するというものです。

素人には、それがどれほど現在の非常時において重要なものなのかどうかが理解しがたいが、医師の主観を排除するため、つまり医師を信じては誤るという考えというからどうしようもない。(海外で承認されたレムデシビルやデキサメタゾンの国内承認は驚くほど早かったが?)

今回の治験者数は316人で治験終了は10月ごろという。

そうするとうまくいって、その4か月後の来年3月ごろが正式承認の結論が出ることになるものと考えられます。

しかし、そのころにはワクチンが浸透してコロナが鎮静しているものと期待するので、そうなれば、本当に必要な時、救える命があったにもかかわらず早期実現ができなかったことの責任を問われなければならないとと思います。

今回のコロナ対応で非常時対応できない体質が露呈、将来を憂う

いずれにしても、今回のコロナ禍において、非常時対応できない政府、特に厚労省、中でも専門部会の存在が浮き彫りになったといえるのではないでしょうか?

ここまで新型コロナ発生により地球的規模で人命が脅かされる脅威が続く中で、国民の命を守ることに当局が主体性を発揮できなかった責任はあまりにも大きいと言えるのではないでしょうか?

最後に

それにしても、コロナの早期終息に向けて、ワクチンの国民100%接種の早期達成と国産コロナ治療薬、ワクチンの開発実現を期待したいものですね!

ーーーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーーーーーー

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