仮説、アビガンは新型コロナ以外のインフルエンザにも有効治療薬か?

今回のアビガンの申請は、2014年の条件付き承認に沿ったもの

アビガンは、もともと2014年(平成26年)3月にインフルエンザ治療薬として承認されたものですが、動物実験による副作用のリスクから、「新型のインフルエンザが流行し、他の薬剤が効かないと政府が判断し、政府が要請した場合に製造を開始する」という条件がつけられました。

此の度の、新型コロナへの使用承認申請は、この流れに沿ったもので、実際に新型コロナに有効かの治験結果をもとに再申請したものです。

(素人の発想で恐縮ですが、「ひょっとしたら、新型コロナに有効なアビガンは、他のインフルエンザにも効くのでは?」とアビガンへ期待を寄せています)

今回の承認でアビガンは新型コロナの新規感染者(初期・中等期症状患者)の処方薬となる

先にコロナ治療薬として承認されている「レムデシビル」や「デキサメタゾン」は、呼吸器装着を要するような重症患者向けに使用が限定されていましたが、アビガンにより初めて妊婦等特定期間を除いて新規感染者全員を対象にした治療に使用されることになります。

このため、今までは新規感染者に対し対処療法しか処置法がなかったが、今後は、アビガンにより、初期から新規感染者の治療に用いられるため、早期治癒、早期退院が実現し急速に感染者数の減少に効果を発するものと思われます!

アビガンとタミフルは同じ抗ウイルス薬なのに、タミフルは、なぜ新型コロナに有効性が期待できないのか?

それは、タミフルは、ウイルスの増殖を促すノイラミニダーゼという酵素に着目してそのの働きを抑える機能を持つ治療薬ですが、新型コロナのウイルスはそのノイラミニダーゼという酵素を持っていないので増殖を抑える術がないということです。
一方、アビガンは、全てのウイルスが持つウイルスの増殖を手助けするRNAポリメラーゼという酵素を着目して、その働きを阻害して新型コロナのウイルスの増殖を防ぐ機能があるということです。
このことについては、内科医・酒井健司先生が、朝日新聞デジタル記事に下記のような記事で紹介されています。
アビガンとタミフル、同じ抗ウイルス薬でなぜ期待に違い(内科医・酒井健司の医心電信)

「アビガンとタミフル、どちらも抗ウイルス薬なのに、いったいなぜアビガンは期待され、タミフルはそうでもないのでしょうか。

 それは薬が効く仕組み(作用機序)にあります。

タミフルがインフルエンザに効く仕組みは、感染した細胞からウイルスが放出されるのを邪魔することです。細胞の表面とウイルスを切断するノイラミニダーゼという酵素を阻害します。しかし、新型コロナはノイラミニダーゼを持っていません。よって、タミフル等のノイラミニダーゼ阻害薬は新型コロナウイルスに効かないと考えられます。

アビガンが効く仕組みは、ウイルスのRNAが複製されるときに働く酵素であるRNAポリメラーゼを邪魔することです。新型コロナは、インフルエンザと同じくRNAウイルスであり、増殖するときにRNAポリメラーゼが働きます。よって、RNAポリメラーゼを邪魔するアビガンは新型コロナウイルスに効くことが理論上は期待できます。」

珍説:アビガンは、通常のインフルエンザの治療薬としても有効ではないか?

そうすると、アビガンは、全てのウイルスが持つRNAポリメラーゼに作用してウイルスの増殖を抑えるならば、新型コロナ以外のインフルエンザ治療薬として、タミフルなどと同様に利用できるのではないかと素人には思えますが?

簡単にいうと、新型コロナもインフルエンザもRNAウイルスであり、RNAポリメラーゼが働いて増殖します。

しかし、通常のインフルエンザは、感染した細胞からウイルスを切り離すイラミニダーゼという酵素を持っているため、この酵素の働きを阻害してウイルスの増殖を抑える治療薬としてタミフル等の既存薬があります。ところが、新型コロナは、イラミニダーゼという酵素を持っていないので、RNAの複製(増殖)を助けるRNAポリメラーゼ(全てのウイルスが持つ)という酵素の働きを抑えることに着目したのがアビガンです!

ということは、アビガンは、全てのインフルエンザにもウイルスの働きを抑制する力を有している可能性があるように思えるのです!

これはあくまでも素人考えです。そうなれば、アビガンは新型コロナだけでなくインフルエンザ治療薬、あるいは予防薬として利用でき汎用性のある治療薬として使われるようになるのではと思われます。

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